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秘密
日時: 2020/07/02 17:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ここは皆の秘密基地。

そこに響く彼女の歌声。

これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————

〜・目次・〜
序章
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137章
>>648->>651

138章
>>652->>655

作者の言葉
>>401

作者の言葉 2020.7.2
>>656

*参照10000 有難うございます*

これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。

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Re: 秘密 ( No.265 )
日時: 2014/03/06 18:22
名前: 雪 (ID: XgYduqEk)

壁にかけてある鍵を手に取り、アリスの足枷を解いた。

「後は手だけだね。ちょっと見せて。」

「ママは…」

声のトーンが変わった。

もしかして…

「ママは…私さえいなければ命を狙われることもなく普通に暮らせるはずだったんだ!!
私さえいなければ…私なんかに構わなければ…」

アリスの顔を覗き込むと涙が頬を次々とつたっていた。

私が…いなければ…

悲しい言葉。

「私さえ生まれなければ普通に恋をして!普通に結婚して!!普通に子どもを産んで!!!そんな普通で幸せな生活があったはずなんだ!!
化け物なんて!生まされるはずじゃなかったんだ!!!私さえ…いなければ…」

化け物。

そんな訳ない。

アリスは普通の人間だ。

歌が大好きで。

ちょっと変わったところもあるけど決めたら真っすぐで。

頭が良くて。

偉そうで。

笑うと可愛い。

普通の女の子だ。

「アリス!!」

聞こえてない。

「私さえいなければ…!」

「アリス!!!」

「うああああぁぁぁぁぁぁぁぁ———————!!」

アリスの。

暴走。

無意識にアリスの手首を掴んでいた。

無意識にアリスと唇を重ねていた。

Re: 秘密 ( No.266 )
日時: 2014/03/06 20:04
名前: 雪 (ID: XgYduqEk)

今の現状は何だろう。

私が暴走して…

それなのになぜ私は圭と唇を重ねているのだろう。

「…圭…?」

ようやくの思いで口を開き、圭に問いかける。

すると圭はビクリッと体を震わせ、顔を朱に染めた。

耳まだ真っ赤になっていた。

お互いへたり込み、お互い現状の理解が難しそうだった。

「…なんで…?」

頬が熱を持っている。

私もきっと顔が赤いのだろう。

無理もない。

キスなんてものに経験も縁すらもなかった。

キス。

その単語が頭に浮かびあがって更に熱が上がった様な気がした。

「…どういう意味…?」

ほろりと1筋の涙が零れた。

嬉しい。

嬉しいはずなのに…心が寒い。

「…ごめん」

圭はそう1言呟くと手枷を外した。

へたり、と腕が力なく床に就いた。

「…ごめん、圭…私…圭の想いには応えられない…!」

好きなのに。

大好きなのに。

私は圭を拒んだ。

父のこと。

母のこと。

私自身のこと。

そう言ったものを考えたら圭と一緒にはいられない。

凄く嬉しかった。

でも私は…圭と一緒にいられない…!

一緒にいたら被害が及んでしまう。

好きだからこそ。

私のことに巻き込みたくない。

ここで圭の想いに応えたらまた…今度は圭にまで…

辛い想いをさせてしまう。

「冗談だよ!冗談!!本当にアリスはつれないな〜!!」

えっ?

「僕がアリスのこと、好きだとでも思ってるの?僕たち友達でしょう。」

「…どういう事…?」

理解が出来なかった。

じゃあさっきのキスは…?

「だから〜なんか暴走止めようとして咄嗟に?ああしちゃっただけ。
だから理由は何であれごめん!!」

安堵した私がいた。

暴走を止めようとしただけで私が好きな訳じゃない。

それが分かってほっとした。

「…良かった…」

曇っていた表情が少しだけ晴れた気がした。

圭が私のこと…好きじゃなくて良かった。

私は心の底から安心した。

やっぱり今のままが良いんだ。

圭は好きだけど。

だからこそ圭を守りたい。

だから今のままで。

これで。

良かったんだ。

そう何度も良い聞かせ続けた。

Re: 秘密 ( No.267 )
日時: 2016/04/09 00:27
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

〜・44章 クリスマス・〜
「これ、渡されてた袋。」

中を覗き込むととても立派なドレスが入っていた。

逃げ出すための手段か。

便利に着替えるための簡易更衣室的なものが入っていた。

最初はフラフープに布が付いてるだけだと思っていたがどうやら更衣室代わりらしい。

着替えてドレスに着替えると中に入っていたバレエシューズを履いた。

久々に立って歩くのにはなかなか困難を極めたが何とか圭の助けを借りずに歩けた。

母が用意してくれたぺたんこ靴のお陰だろうか。

圭の助けを借りたくは無かった。

好意は無くともキスはキスだ。

動揺だってする。

「行こう、まだ客がいるはずだ。」

客に紛れて帰らせるように招待状もちゃんと入っていた。

牢を抜け出して何度も右、左、と曲がり扉を開けるとパーティー会場につながっている。

扉を開けると何故か慌ただしく従業員が右往左往としていて私達に気を止めてもいなかった。

それから周りに十分に注意を払って堂々と入口から出ていった。

「…しかしさすがアリスのお母さん。一体どうやって…」

「自動販売機だ。」

視界の端で見た程度だが。

「自動販売機?」

「1度コンセントを抜いた後コンセントを再び指すと防犯機能が作動する。母はそれを利用したのだ。推測でしかないが。」

こんなパーティー会場に自動販売機など不釣り合いだが、ここの自販機は飲み薬等を売っているのだからあっても不思議ではない。

外に出るとビュウッと風が吹いた。

「…本当に…私のこと好きじゃないの…?」

「だから!何度も言ってるじゃん!!友達だって!勢い余ってしちゃったけど。
何度も言ってて恥ずかしくないの?自分で私のこと好きかって、聞いて。」

少し無理しているように聞こえたが気のせいだと納得させた。

「…良かった。」

ようやく顔がほころんだ。

やっと笑えた。

期待はしない方が良い。

後が辛くなるだけだから。

「そうだ、アリス。」



「お誕生日おめでとう。」

背後で12時を知らせる時計の鮮やかなメロディが鳴った。

あはっ、と笑った。

「…有り難う。」

その時2人の前に鮮やかで儚い雪が降った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それから少し歩いてタクシーを拾って何度か乗り替えて別宅にたどり着いた。

車の中でアレクシスに電話をかけた。

お取り込み中なのか電話に出なかった。

仕方なく留守電を残しておいた。

「もう夜も更けちゃたね。」

「…うん。でもせっかくのクリスマスだし。これもまた一興だよ。」

少し肌寒かった。

皆何故ドレスで歩き回って寒くないのだろうか?

「あっ、それと明日はItemMemberは無いから。アリスがいなくなったから活動も停止中。歌わせるのも忍びないし。
仁科に連絡を入れたら26日からいいって。明日から急になんて無理だろうし。」

「…うん。」

まだ唇にさっきの感触が残っている。

クリスマスには最高過ぎるプレゼント。

「後、明日は家にいるよね。」

「そりゃこの状態じゃ外に出られないし…」

何を当然なことを…

「明日、撮影があるから。あの別宅で。クリスマス特集組むって。
あそこ、外観も内装も写真撮影にうってつけだからって仁科が。」

「そうか?」

住んでこそいるが、書斎からほとんど出ない。

家の作りだって分からない。

しかし…

「…嘘が下手だな、圭は…」

「ん?何か言った?」

「…ううん。じゃあ待ってる。楽しみにして。」

そう言って彼女は微笑んだ。

何時もと変わらぬ可愛らしい笑顔だった。

彼女はすべてを見透かした顔をしていた。

Re: 秘密 ( No.269 )
日時: 2016/04/09 00:29
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

彼女にキスした時。

あの時ただアリスを救いたかった。

その想いだけだった。

でもその結果…

彼女は1筋だけ涙を流した。

嗚咽も漏らさず。

ただ。

1筋だけの涙を。

彼女は笑わなかった。

元々笑う訳は無かった。

でもその涙を見て想いを告げることがアリスにとってはいいことではないと思い知らされた。

だから咄嗟に嘘を吐いた。

全く好きではないと。

友達だと。

アリスを救うにはあまりにも非力だという事を思い知らされた。

咄嗟に行動に出た結果は、アリスを傷つけただけだった。

だから嘘を吐いた。

好きではないと分かってようやく彼女は笑った。

好きじゃないって言った。

あの時。

彼女は確かに笑った。

好きとかそう言った前にアリスの笑顔を守りたかった。

自分が好きじゃないという事が。

一生友達でいることが。

自分の想いを告げないことが。

彼女の笑顔につながるなら。

それでいいと思った。

きっとこの気持ちに諦めは一生つかない。

6年たっても驚くほど気持ちが変わらなかったのだから。

でも笑わないアリスの隣なんていらない。

僕は笑うアリスの隣が欲しいんだ。

その為なら、一生友達として。

一緒に笑うんだ。

いつまでも。

Re: 秘密 ( No.270 )
日時: 2014/03/11 18:54
名前: 雪 (ID: vMaG66qM)

圭にキスされた時。

私は現状についての理解が出来なかった。

徐々に分かってきた現実。

でも私はそれを拒否した。

友達…

自分で拒んでおきながらそんな言葉に引っかかるなんて。

でも友達で良い。

圭を傷つけるくらいなら。

つまらない。

これからまた退屈な日々を過ごすことになっても。

一生友達でも。

…例え傍にいられなくなったとしても。

それでも。

傷つけるよりかずっといい。

マリー達は言った。

・・・アリスはもうアリスのためだけに生きてる訳じゃないんだから・・・

あの3人はそう言った。

ならなんのために生きているのだろう。

私は私の為だけに生きていない。

だから3人の為に生きる。

3人を守るために。

友達の先に。

好きって初めて思った。

初めての恋。

儚かったな…私の恋。

でもそれでも。

私が圭達といられるならそれでいいや。

傷つけるぐらいなら。

こんな恋。

自分からぶち壊してやる。

さようなら。

もう二度と会わないことを祈る。

私の恋。


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