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秘密
日時: 2020/07/02 17:37
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

ここは皆の秘密基地。

そこに響く彼女の歌声。

これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————

〜・目次・〜
序章
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>>648->>651

138章
>>652->>655

作者の言葉
>>401

作者の言葉 2020.7.2
>>656

*参照10000 有難うございます*

これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。

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Re: 秘密 ( No.220 )
日時: 2014/02/02 18:53
名前: 雪 (ID: 2N56ztaO)

寝息を立てるのを確認するとそっと手を離した。

「ふざけんなよっ!!」

真っ先に声を荒げたのはリンだった。

「リン…お気持ちは分かりますがアリスを起こしてしまいます…」

「なんでっ…何でアリスだけが…!?」

声が出ない。

こんなのおかしい。

そんなの分かっている。

それでも体がすくんで声が出ない。

可笑しいな…

アリスはあんなにも自分に微笑みかけた。

何度もその笑顔に救われた。

それなのにアリスが大変な時には何もできなかった。

「アリスが一体なにをしたって言うんだよ…何で自分の体を動かすことも!
目を開けることも!!声を出すことすら…出来なくならなきゃいけないんだよ…」

いつもは近くで静かにたたずんでいるリンがまるで別人のようだった。

涙まで流して。

その眼には憎しみが宿っていた。

「何だよ…お父様って…」

そんなリンの声は少し荒っぽくて悔しげで…悲しい声音をしていた。

Re: 秘密 ( No.221 )
日時: 2014/11/15 17:52
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

「…万里花ちゃんの言う通りだよ。場所を変えよう。ついてきなさい。」

そういって静かに諭されたリンは大人しく先生の後について言った。

ついて言ったその先は先生の診察室らしく真っ白でしわ1つないベットやシンプルな机が置かれていた。

「座りなさい。」

3人がベットに座るのを確認すると先生は静かに重々しく口を開いた。

「彼女はもともと体が弱かったのかい?」

今までの話とほとんど脈絡のない話。

何の話かよく分からない。

確か…彼女は基地に行く時はいつも息切れするし、すぐ疲れるし、立ち眩みもするし、授業中もいつも寝ている。

「…ええ」

「病名は?」

病名…知らない。

そもそも病気だったのかも定かではない。

「いいえ…知りませんわ…それがなにか?」

「いや…」

そう言って先生は近くの看護婦を呼ぶと何かを耳打ちした。

看護婦は軽く会釈するとそのままどこかへと去っていた。

「どうかしましたか?」

「これはあくまで推測だが…検査を重ねなければ断定はできないが…」

おそらく…

と医者は続けた。

「彼女は盛られた薬によって体を意図的に弱められている。」

意図的…?

なんのために?

「彼女はそもそもはとても健康のはずだったんだ。それが薬によって少しずつ体を弱めているようだ。
まだ検査の結果が出ない限りは何とも言えないがね。」

お父様…が…?

なんでそこまでアリスに…

どうしてアリスだけが…

普通の女子高生だったはず。

普通に皆と言葉を交わし、弁当を食べて、部活動をする。

そんな当たり前の生活すらアリスには程遠い。

何時も体が弱くて自由に動き回れず、また何時連れて行かれるか分からない。

そんな不安定で何時壊れるか分からない高校生活。

不安でいっぱいだっただろう。

そんなことに気付けなかった。

そんな生活が奪われ、壊されるまで気付けなかった。

手から既に零れ落ちて粉々に壊れた。

それでもまだ救えるはずだ。

奪われても奪い返せばいい。

壊れたなら治せばいい。

「結果が出たよ。」

いつの間にか先生の後ろにはさっきの看護婦が立っていた。

「予想通りだった…」

その言葉はとても深く心に食い込んだ。

「彼女はいつも薬を使い、体を弱めていたんだ。理由は知らないけどね。」

一体いつ?

朝ご飯?

昼のお弁当?

夜ごはん?

一体彼女はいつ薬を盛られた?

考えると彼女の家すらも知らない。

食事で何を食べているのかも知らない。

「先生、退院は何時頃になるでしょう?」

カルテを見比べながら先生は難しい顔をした。

「う〜ん…この後のリハビリ次第だけど…とりあえずは3ヶ月。」

「断言しましょう。アリスなら1ヶ月未満で退院しますわ。
彼女は誰よりも意地っ張りで負け嫌いですから。」

即答だった。

「ほらほら、そこの男2人も黙っていないで!アリスがこんな理不尽な仕打ち受けて大丈夫だとでも思っているんですか!?」

2人の胸倉を掴んだマリーの顔はすっかり赤くなり湯気でも出んばかり真っ赤だった。

「「…良いわけないだろう…」」

小さくてか細い2人の声。

「「何が何でも助けだす!!!誰になんて言われようともそれだけは曲げられない!!」」

パッとマリーが2人の胸倉を掴んでいた手を離した。

「その意気です。」

3人は再び拳を交えた。

私達の…

目印。

活動開始の合図。

何故だかアリスは1ヶ月もかからずに退院する様な気がした。

Re: 秘密 ( No.222 )
日時: 2016/05/17 05:25
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

「アリス?」

クゥクゥと可愛い寝息を立てるアリス。

そこに忍び寄った影は圭だった。

さっきから何も声を出せない。

そのまま帰るには何故か罪悪感が残っていた。

かといって何を話せばいいかも検討は付かない。

今日から1人ずつローテーションで病院に残ろうと話あったうえで決まった。

皆で残ろうと言った考えもあったが気をまわしたのかマリーが今日は圭が残ることを薦めた。

しかし会話もない。

何を話せばいいかも分からない。

「アリス…」

それでも何か言わなければいけないと思った。

「…アリスが今まで…どんな問題を抱えてきたかなんてわからない…それでも…僕はアリスの傍にいたい。」

何を話しているか分からない。

それがいったい何の慰めにもならないことくらい分かっている。

それでも思ったことをまんま伝えたかった。

「…僕だけじゃない…マリーも…リンも…居る。
皆で笑っている…そんな世界があるなら…それを掴み取って見せる。
それが僕の夢だから。」

そのためには…アリスを救って見せる。

「待ってて。僕がいつかアリスを救って見せるから。」

何をすればいいのかも分からない。

それでも分かっていることはある。

アリスだけは守らないと。

それは立場とかそう言ったものじゃない。

たとえどんな相手でもアリスを守りたい。

それは仲間だからとかそういうのじゃない。

男として。

アリスに恋した馬鹿で無鉄砲な1人の男として。

アリスを守るために立ちあがりたかった。

「待っててね、アリス。
例え地球の裏側だろうが、見つけてみせる。救い出して見せるから。」

自分の口から出た恥ずかしいセリフに思わず顔が赤くなる。

「約束だぞ。」

唐突に開いたアリスの視線に思わずドキリと頬を赤らめた。

Re: 秘密 ( No.223 )
日時: 2016/05/17 05:27
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

圭の言葉。

嬉しかった。

とてもとても。

ゴンドラを下りて、風に当たりながら告げた圭の言葉。

・・・待ってて。何時か僕がアリスを闇から救うから。
待ってて。いつかアリスを助けるから。だからそれまで…待ってて・・・

その言葉にどれほど救われたか。

その言葉にどれほど安堵したか。

きっと想像もつかないだろうね。

だからそんな自信無し気な顔を下げて、お見舞いに来たんだろう。

「アリス…」

ほら、声が震えている。

「…アリスが今まで…どんな問題を抱えてきたかなんてわからない…それでも…僕はアリスの傍にいたい。」

そんな顔しないでよ。

そんな声で話さないでよ。

そんな情けないこと言わないでよ。

「…僕だけじゃない…マリーも…リンも…居る。
皆で笑っている…そんな世界があるなら…それを掴み取って見せる。それが僕の夢だから。」

うん。

分かってる。

私もそんな世界を掴み取りたい。

私も頑張るよ。

圭の夢を守れるように。

「待ってて。僕がいつかアリスを救って見せるから。」

うん。

分かってる。

やっぱり大好き。

大好きだよ、圭。

「待っててね、アリス。
例え地球の裏側だろうが、見つけてみせる。救い出して見せるから。」

うん。

待ってる。

私を見つけられるって。

救ってくれるって。

信じてる。

「約束だぞ。」

信じてるから。

何処にいても私を見つけてくれるって。

闇の中から私を救ってくれるって。

誰もが笑っている様なそんな世界を掴み取ってくれるって。

信じるから。

何時までも。

Re: 秘密 ( No.224 )
日時: 2014/03/30 12:41
名前: 雪 (ID: DNCcZWoc)

〜・行間 伝えたいこと・〜
「お、おおおお…起きてたの!?」

「うん…流石にあれだけ寝れば目も醒めるよ。」

恥ずかしいセリフを散々並べ立てて真っ赤な圭。

…少しだけ可愛い。

よいしょ、とベットに手を突きのんびり体を起こす。

だいぶ回復しているようだ。

「何?あんなに恥ずかしい言葉はもしかして嘘だった?社交辞令だったの?」

「…違う…けど…」

「何?聞こえない。」

意地悪なアリス。

何処までも笑みを絶やさない。

「嘘じゃないよ!絶対に助けて見せる!!掴み取って見せる!!」

大声を出してからハッと口に手を当て、恥ずかしそうに顔を赤らめた。

ふっ、と笑う様なアリスの小さな声が聞こえた。

「…その意気だよ。」

ポンッと圭の肩に頭を預ける。

温かい。

「もっと自信持っていいんだよ?私…信じてるから。」

それからグリンと圭の方に顔を向ける。

相変わらずの笑顔がそこには合った。

「何処にいても見つけて、助けてくれるって…信じてるから。
圭はこの三田村こよみさんを救ってくれた恩人なんだから。胸を張りなさい。」

安らかに目を閉じた。

薬の影響なのか少しだけ荒いアリスの息遣いが肩越しに伝わる。

ゆっくりと圭の背中に手を這わせる。

久しぶりすぎて。

愛しすぎて。

涙が零れそうになる。

「…会いたかった…圭…」

泣きそうな声。

そぉっと…アリスを抱きしめる。

気付かぬ間にまた痩せた。

2人抱きしめあった。

そのままどのくらいの時間が経ったのだろう。

お互いそれっきり動かず、時間が止まったように感じられた。

2人だけの。

今だけの。

特別な距離。

特別な時間が過ぎていった。

やがてしばらくすると再びアリスの寝息が聞こえた。

くぅくぅ…

アリスをベットに戻す。

また軽くなった。

頬もこけた。

それでも青白かった頬に少しだけ人間味が戻ってきた。

「…全く…」

静かに圭は呟いた。

「無防備にそんな顔しないでって言ったのに…」

何時か自分にコントロールが効かなくなるかもしれない。

いつもどれほどアリスに触れるのに覚悟がいるのか分かっているのだろうか?

それをやすやすと…

思わず呆れる。

いや…

さすがアリス…と言うべきなのかな?

アリスのお願いだもんね。

・・・何処にいても見つけて、助けてくれるって…信じてるから・・・

・・・圭はこの三田村こよみさんを救ってくれた恩人なんだから。胸を張りなさい・・・

そう言われたら…

助けるしかないじゃない。

「…あたりまえだよ。」

助けて見せる。

掴み取って見せる。

アリスに恋をした1人の男として。

アリスを全力で救って見せる。


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