コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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>>644->>647
137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.271 )
- 日時: 2014/03/11 19:57
- 名前: 雪 (ID: vMaG66qM)
〜・45章 クリスマスパーティー・〜
ピンポーン
軽やかなチャイムの音が屋敷の中に響く。
もぞもぞとしばらく居留守を使うが何時までもチャイムは鳴り響く。
ええい、と起き上がって大きな欠伸をした。
昔なら寝不足なんてことは無かったのに…平和ボケでもしたのだろうか?
寝巻のまま玄関に出向く。
朝だと思っていたが外を見るとすでに日は傾きかけていた。
それだけ寝たのに未だに眠気が拭いきれないとは…年をとった様なそんな気分になった。
玄関の扉の前で立ち止まると一瞬立ち止まる。
だがのぞき穴を見るまでもない。
誰かなんて想像を通り過ぎて確信すらつく。
カチャリッと鍵を開けるとノロノロとドアを開けた。
パパパーンと愉快な音が響いた。
それと同時火薬のにおいが鼻を刺激する。
「1日遅れですが…メリークリスマス!!」
「…鳴らす前に言えよ、お前ら。」
火薬のにおいを払う様に手を振りながら挨拶代わりの文句を叩きつける。
「まぁいいや、勝手に上がれば?私は着替えて来るから。」
ペタペタと裸足の軽快な音を響かせながら屋敷の奥に引っ込む。
クローゼットの前でしばし考え込むと鮮やかな紫に少し近い桃色のドレスを手に取った。
「待たせたな。」
金髪になってからドレスを着る機会が増えた。
だがドレスの方がまだ金髪に似つかわしい。
「ケーキに…プレゼント…クリスマスパーティーとやらか?
私はこう言った催しは初めてなので足手まといになるかもしれないが、
是非ともお前たちで楽しませてくれ。」
一瞬だんまりした空気が流れた。
「…どうした?」
「い、いえ…アリスらしくないなと…何かありました?」
なかなかに確信を付いている。
「何も。」
「…そうですか?」
浮かない顔ながらマリーはそれ以降踏み込んでは来なかった。
そそくさとテーブルに広げられてくる御馳走の数々に思わず目移りしてしまう。
「では。アリス、乾杯の音頭を。」
「…えっ?」
突然の提案。
でもそう言った不意打ちはむしろマリーらしい。
「では…」
コホンッと小さく咳払いすると私なりに言葉にしてみた。
「再会して最初のクリスマスパーティー、皆で精一杯楽しみましょう!!」
「小学生か…」
「うっさい!!」
ついついリンの些細なからかいに乗せられてしまった。
改めまして…
「これより、ItemMember主催のクリスマスパーティーを開催いたします!!乾杯!!」
そうして私達は天高く掲げたグラスをカチンッと綺麗な音を響かせた。
これよりクリスマスパーティーが始まる。
- Re: 秘密 ( No.272 )
- 日時: 2014/03/12 17:02
- 名前: 雪 (ID: DNzgYQrN)
「クリスマスってテレビつまんないな…」
ザッピング?というのだろうか。
適当にテレビのチャンネルを変えるがそこまで面白いものもない。
「まぁ、クリスマスの番組なんて1人でクリスマスを過ごす悲しい人の為にあるのですから。」
「ちょい、チキンとって。」
「ほい。」
クリスマスパーティーと言ってもゲーム1つなければただの飲み食いだ。
「飲み物取ってくる。」
冷蔵庫を開けると想像に反して全く飲み物が入っていなかった。
「ちっ…」
外に買いに出かけるにも…一度着替えなければいけない。
ドレスのまま外に出るのは気が引ける。
「どうかしたか?」
台所の入口から聞きなれた声が飛び込んだ。
「飲み物が足りなくて…買いに行こうかなっ、なんて思っただけ。」
「俺も行く。」
断る理由もないので軽く着替えて一緒に行くことになった。
半袖のカジュアルワンピースに白いカーディガンを羽織った。
耳元にはいつもと同じようにイヤリングが光っていた。
それを見る度にリンが心傷つけることなんて当然アリスは知らない。
「飲み物と…一応お菓子も買った方が良いよね。」
よいしょ、と腰を挙げた瞬間にぐらりと視界が揺れた。
トスッと軽いものが着地した音がした。
「やはり、昨日の今日じゃまだ慣れないか…一応バレエシューズはいてきたのに…」
その靴は昨日母が渡したものだった。
「迷惑かけたな、行くぞ。」
立ち上がるとまだまだふらふらとした足取りで会計に向かっている。
「うわっ!」
再び視界が揺れた。
流石にもう歩くのはダメだろう。
「座っていろ。会計は俺が済ませる。」
「かたじけないな。」
リンの言葉に甘えてコンビニを出ると近くのベンチに腰を下ろす。
買い出しと言っても基地の階段を下りて少し歩くだけなのでそう言った感覚は無いが。
屋敷とは反対側なので少し離れている。
だがそこまで遠くは無い。
リンに抱きとめられた時…全くと言っても良いほど何も感じなかった。
圭に抱きとめられると、何時も鼓動が速くなる。
でもリンにはそう言ったことが無かった。
何時までも女々しいな。
圭から貰ったイヤリングなんていつまでもつけて。
「…全く。」
諦めると決めたのに。
今まで決めたら揺らぐことを知らなかった。
決めたらそれに向かって一直線に進んだ。
けれども私はこんなにも揺らいでいる。
何回も何回も。
でも諦めると決めたのだから。
何時までも囚われてはいけない。
油断は大敵。
優柔不断なんて縁のない生き方をしていた。
だからこんなにも揺らぐ自分に少し驚いた。
でもそれも自分の一面なんだと思い知らされた。
- Re: 秘密 ( No.273 )
- 日時: 2014/03/16 11:44
- 名前: 雪 (ID: UOrUatGX)
「待たせたな。」
気付かぬ間にリンが店から出て私の目の前に立っていた。
手には少し大きめなビニール袋がぶら下がっていた。
「じゃあ、行くか…あっ…」
よいしょ、と腰を上げると再び視界が揺らいだ。
再びベンチに着地する。
3人が訪ねてきたので気丈に振る舞っていたが昨日の今日で流石にすぐ普通に歩けるようにはならない。
昨日はバレエシューズを履いていたからこそ歩けたが、それでも足取りはおぼつかなかった。
今日となって昨日の疲れがぶり返してきたようだ。
「その調子では普通に歩けても階段上るのはきついだろ。ほら。」
そう言ってリンは私の前にしゃがみこんだ。
最初は少し意味が分かりかねたが少しずつその意味を理解して頬に熱が蓄積されていった。
「ちょっ…!?」
「いいから。」
「…う…うん…」
最初は遠慮していたが覚悟を決めて恐る恐るリンの背中に身を預ける。
誰だって男子におんぶされたら遠慮してしまう。
「軽いな。」
「…世辞は良い…」
ゆさゆさとリンの背中が揺れる度に金色に輝く長い髪が揺れた。
「そんなひらひらしたの着るなんて…なんか懐かしいな…」
知られてはいけない。
6年前のこと…覚えていないだなんて…
「ひらひらした服って言うのは昔から苦手なんだよ…でもマリーが…」
マリーはとても服にうるさくてズボンも全部没収された。
恋する女にズボンは不要だそうだ…
そんな心の声を察したのか少し気の毒そうな目で私を見ていた。
「お前も大変だな…時に1つ聞いていいか?」
なんでもない調子で聞いたのでなにげに聞き返した。
「なんだ?」
「…何かあったのか?」
一瞬。
時間が止まった様な気がした。
「…やっぱり私はそんなに顔に出やすいのか?」
「まぁな。…やっぱり昨日のことか?」
その口ぶりでは…
圭はもう昨日のことを話したのだろう。
キスのことは伏せているだろうけど…
突然頭によぎる昨日の記憶。
そうか…あれってまだ昨日のことなのか…
無意識のうちにギクシャクしているだろう。
「私って…まだ圭のこと好きなのかな…」
背中越しにリンの背中がビクリと震えた。
諦めたつもりだった。
でも諦め切れていないかもしれない。
「…ああ…まだそう見える…」
リンにしては珍しい。
震える声。
気丈に振る舞っているが何かに耐えているようにも見えた。
でもその原因は私にはわからない。
「やっぱり…そうかな…」
私もそう思っていた。
圭のことを諦められていない様に私自身薄々思っていた。
「そう言ったものは諦められるものじゃないだろう。」
私は諦めたかった。
圭と一緒にいることで私の何かが変わるのが怖かった。
変わったら…普通の女の子みたいになったら…今まで積み重ねてきた何かが壊れる気がした。
それがなくなったら母と会う前に精神から折れると思っていた。
母に会うために。
私は色んな事に耐えてきた。
でも圭と会って…恋をして…普通の女の子になるのが怖かった。
そう言った守るべき対象。
それが増えるとそれだけ私の心は揺れる。
母に会う為だけに。
自分の為だけに。
生きてきた。
だから守る対象が増えることは望ましくなかった。
私は私の為だけに生きてきたからこそ今ここにいれる。
守る対象が増えることで。
周りを傷つけることが。
自分が生きづらくなるのが。
人を信じるのが怖くて。
そう言ったものをいつも考えてしまう。
だから友達になるのが怖かった。
ましてや友達の先になんて。
行くのが怖かった。
「…少し楽になった。」
いつの間にか別宅についていた。
ピョンッ、とリンの背中から飛び降りる。
「ありがと、リン!」
「…どういたしまして。」
?
凛の顔が暗闇の中でも鮮明に分かるほど真っ赤に染まっていた。
「リン、顔赤いよ?どうかしたの?」
「…なんでもないよ。」
不可解なままだったがそれきりその話は終わった。
- Re: 秘密 ( No.274 )
- 日時: 2014/03/30 15:10
- 名前: 雪 (ID: DNCcZWoc)
「リンの言う通りかもしれない。」
彼女は言った。
「諦めるなんて…できることじゃないかもしれない。」
痛いほどに伝わってくる。
アリスがいかに圭を好きなのか。
どれだけ自分の気持ちを抑え込んでいるか。
圭を好きにならない。
きっとそれがアリスの中で出された結論。
きっとそれはアリスの為にじゃない。
圭の為に。
彼女はそう言ったのだろう。
「叶う訳の無い恋…でも私は圭が好きだって認める。その上で私は圭との恋を諦める。」
…一緒にいると危険な目に合わせるから。
声には出していないのに聞こえたアリスの声。
圭が好き。
好きだからこそ諦めなくてはいけない恋。
彼女は踏ん切りをつけようとしている。
圭と。
圭を好きな自分自身に。
こう言った時。
どうすればいいか分からない。
そこが圭との違いだろうか。
圭ならきっと声を荒げてアリスを叱るだろう。
もっと自分を大事にしろとか、何時か必ず助けるから、とか。
世迷言だと思える様なそんな歯の浮く様な台詞。
でもそんな言葉でもアリスに語りかけ、実際には救ってきた。
何も言わないより、ずっとマシだ。
何もしないより、救われないのを分かってでも言葉をかけることのできる。
そんな圭と。
自分との違いはこう言ったところにあるのだと思った。
叶わない、と思った。
圭との恋を諦めても…勿論自分に目を向ける訳が無い。
それでも…
アリスを好きになった1人の男として。
少しでもアリスの力になりたい。
そう思うのに何のためらいもなかった。
アリスが好きだからアリスの好きな男に近づきたがるのは。
アリスの好きな男を越えたいと思うのは可笑しいことじゃない。
絶対に自分に振り向かないと分かって。
それでもせめて振り向かせる努力をしても罰は当たらない。
「今の俺にはアリスを助けることは出来ない。」
でも…
「それでもアリスのことが大事だって思うのは俺だけじゃない。
…それがアリスの出した答えなら俺は止めない。でもそのことは忘れないでほしい。」
何言っているんだろう。
何を言えばいいか分からないからって変にも程があるだろう。
それでも彼女はゆっくりと微笑み、笑った。
「ありがと、リン。」
なんだか少しだけ圭とならべた気がして嬉しかった。
- Re: 秘密 ( No.275 )
- 日時: 2014/03/16 11:56
- 名前: 雪 (ID: UOrUatGX)
〜・46章 プレゼント交換・〜
リンとの買い出しの後、別宅に戻った。
2人で何かを計画したのか顔はにやけていた。
「そろそろプレゼント交換しません?」
「…プレゼント交換?」
「プレゼントを交換するんだ。」
そんなの聞いていない。
勿論プレゼントなど準備していない。
「聞いてないよ!」
「伝えませんでしたっけ?」
もし伝えられているなら私は絶対に忘れない。
だから伝えられていないのだ。
まぁ…文化祭の後、アレクシスの恋を叶えたりなんだの話す機会は目に見えて減っていた。
聞いていなくても不思議ではない。
「プレゼント交換って言うか…交換ではなく各々にプレゼントを渡す形式にしますが。」
という事は…
「つまり…1人3人分のプレゼントを各々準備する…ってことか?」
「ええ!それぞれ欲しいものや送りたいものが違うと思いますので。」
「それって交換じゃないんじゃ…」
「まぁまぁ!!」
そんなこんなでプレゼント交換もといプレゼント渡しが始まった。
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