コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 秘密
- 日時: 2020/07/02 17:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
ここは皆の秘密基地。
そこに響く彼女の歌声。
これは彼女と彼女を取り巻く皆の物語———————
〜・目次・〜
序章
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136章
>>644->>647
137章
>>648->>651
138章
>>652->>655
作者の言葉
>>401
作者の言葉 2020.7.2
>>656
*参照10000 有難うございます*
これは自分の案を組み合わせて作ったオリジナルストーリーです。
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- Re: 秘密 ( No.472 )
- 日時: 2015/02/02 17:27
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
〜・93章 何時も通りに・〜
考えていても仕方がない。
深呼吸を1つして、再び学校に向かった。
休む理由もないし、ここで休んだら余計に変なことを思われてしまいそうだ。
会ったら昨日のことを謝る。
いや、謝ったら意識していたことを認めてしまう。
ここはあえて放置しておく。
普段だって別に何か話をする訳じゃない。
何時も通りスルーだ。
聞かれたことだけ答えればいい。
こちらからは話しかけない。
「おはよう」
いじめグループを抜けてから、クラスメートとはそれなりに折り合いを付けてきた。
挨拶をするだけでいくらか返事が返ってくるくらいには。
「おはよう、朝霧」
すると、まさかの意外な返事がきた。
声の主には覚えが合った。
「昨日は世話になったな」
三田村こよみ。
せっかく心落ち着けてきたというのに、昨日のことを早々に口に出された。
「あ、ああ…昨日は遥も喜んでたよ!また来てくれと…言って…」
失敗した。
早々にまた家に来るように頼むなんて。
昨日のことが合ったばかりなのに。
「…いた気もするかな」
昨日のこと、気にしてはいなさそうだけど。
キ、…スしようとしていたのに。
「そうか、じゃあまた近々お邪魔しよう」
あっけからん、と笑っていった。
何時もと同じ笑顔だった。
「あ、ああ…宜しく頼む。何時も悪いな。」
「なにを言う。こちらが世話になっているところだよ。」
何時も通りの少し男勝りな喋り方。
何時もと何も変わらない。
むしろ、何時も以上に話している。
何時もは時々遥の様子を聞いてくるだけだったのに。
ヘタに身構え過ぎただろうか。
それとも、もう忘れてしまっただろうか。
「じゃあ、またな」
馬鹿みたいだ。
こっちばかりが意識をしている。
いつだって。
- Re: 秘密 ( No.473 )
- 日時: 2015/02/03 17:19
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
朝霧と話した。
何時も通りに接せられただろうか。
不自然ではなかっただろうか。
頬が少し熱い。
いけない。
また昨日のことを意識し出している。
何時も通りに演じろ。
自分の気持ちを偽るのは専売特許のはずだ。
私は普通の高校生になんて。
なれっこない。
自分の特技を。
今発揮しなくてどうするんだ。
思考を止めるな。
考えろ。
それだけが唯一のとりえだろう。
気持ちを落ちつけろ。
何時も通りに接しろ。
どうせもう、誰も好きにはなりはしない。
圭だけで、懲り懲りだ。
私に恋なんて似合わない。
惚れる価値もない。
「三田村っ!」
何時もと違った朝霧の声に振り返る。
「来月…遥の誕生日なんだけど、良かったら…祝いに来ないか!?
と、いうか…サプライズの企画っ!一緒に…考えないか?」
大丈夫。
私は同じ失敗を繰り返さない。
圭の二の舞はごめんだ。
もう、恋はしない。
昔の傷が疼くから。
「行く」
- Re: 秘密 ( No.474 )
- 日時: 2015/02/10 15:52
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
それから数日間、帰りに並んで歩くのが朝霧だった。
何時も圭がいた立ち位置に。
朝霧がいることが何だか不思議だった。
「サプライズって言っても…何が好きなんだ?」
「好きなもの…甘いものとかは結構好きだったはずだ」
「ああ、だからか。」
朝霧の家には市販のお菓子が沢山ため込まれていた。
それに、お菓子作りの器具はたくさん備え付けられていた。
きちんと手入れされていた辺りは朝霧兄弟らしい。
来月、と言った割には準備がやたら早い。
けれど、遥はまるで妹のように思っていたから。
少し、嬉しい。
「甘味の店なら私は沢山知っているぞ。」
甘いものが好きなのだ。
マリーとよく行ったし、時折4人でも行った。
「でも好みが分からないな…」
一度クッキーを焼いたら喜んでいた。
彼女にお菓子を作ったのはあれっきりだ。
クッキーだけじゃ好みは分からない。
「じゃあ、日曜日に一緒に行かないか?」
えっ…
折角のお誘いは嬉しいが…圭のことがチラつく。
もう忘れるって決めたのに…
「…分かった」
絶対に。
忘れる。
私には護身術があるし、エリスもいる。
私を止めるブレーキはある。
「学校からすぐ近くの〈ハンプティ・ダンプティ〉でいいか。
色んな種類のケーキやタルトを揃えてて、美味しいぞ。」
つい食べ過ぎてしまうから禁じていたが、事情があれば仕方がない。
「日曜10時、校門のところで。くれぐれも遥に気付かれるなよ。」
昨日のことも合ったし…
でも、圭を忘れる口実にはなる。
それなら、まだいいか。
- Re: 秘密 ( No.475 )
- 日時: 2015/02/11 09:09
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
日曜日、10時少し前に学校へ向かった。
朝霧の私服を見たのは初めてだった。
そもそも顔立ちが整っていたせいか、よく似合っていた。
「行くか」
並んで歩く。
以外に背が高かった。
圭よりも高いのではないだろうか。
「っで、どういったお菓子が好きなんだ?」
「酒を使う菓子は嫌いだったな…後は抹茶とかも嫌いだし…」
私は今、なにをしているのだろう。
圭の隣はとても心地よかった。
朝霧の隣だって悪くはない。
話してみて分かるが、割と話が続く相手だ。
本等は読まないが、私が知らないこともかなり知っている。
考え方も多少似ているところもある。
「私と同じだな」
私もアルコールが使われたお菓子は好まない。
一度ウイスキーボンボンを誤って食べた時、酷い有り様だった。
私はあまり覚えていないが、圭曰くいつもより甘えるらしい。
それに積極的になるらしく、圭は酔っぱらっている時の甘えが嬉しいらしい。
後、酔っぱらっていると何時もと違った可愛いさがあるらしい。
覚えてないことでそんなこと言われても、恥ずかしいだけだったが。
その時、早くお酒を飲めるようになりたいと思った。
何時も圭に甘えられればいいのに。
何時も圭に甘えることが出来ればいいのに。
私は自分の気持ちが分からなかった。
本当に圭に恋をしていたのか。
圭に抱きしめられてから、その答えは私の中にずっと疼きっぱなしだ。
「三田村?」
「あっ…」
また無意識のうちに考えていた。
どの道恋をしてもしなくても、私はここからいなくなる。
幸せになることをとっくに諦めた。
記憶を消す、あるいは…
「ああ、チョコは好きだったな」
どちらにしろ私に未来はない。
生きるために具体的な案を考えても思い付くのはこれだけだった。
私に人は殺せない。
殺したとしても、その後あいつ等に顔を合わせられない。
どの道を選んでも、あいつらの傍にいられない。
絶対に安全な方法は1つだけ。
決行は多分1年以内。
今の内に縁を切るべきだ。
「三田村?」
でも、私は上手くない。
もっとうまく別れるべきだった。
そして、私は下手だった。
怪しまれないためには、むしろ黙っているべきだった。
でも、私が耐えられなかった。
傍にいられないことが頭にチラついた。
傍にいることに耐えられなくなったのは私だった。
「三田村?」
「ああ、ここだ」
<ハンプティ・ダンプティ>
綺麗な装飾の、少しメルヘンチックな店だ。
男1人では入りづらそうだ。
傍にいたい。
でも、傍にいることには耐えられない。
傍にいられないくらいなら、離れた方が楽。
そう、思っていたのに…
- Re: 秘密 ( No.476 )
- 日時: 2015/02/11 13:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
〜・94章 Happy Birthday・〜
テーブルの上には沢山の皿。
気に入ったものを探すために、ケーキを分けて食べた。
<ハンプティ・ダンプティ>は種類の多いことで有名な店らしい。
分けて食べても、胃がきつい。
抹茶やアルコールを含んだものを避け、チョコ系統のものを選んだ。
そう言ったところで遥と私は好みが合いそうだな、と彼女は言った。
彼女もチョコが好きらしい。
最初に彼女の言うお気に入りを全て食し、次第に新メニューや名前も知らないジャンルにまで手を伸ばした。
最終的に、店を出る時には腹はいっぱいだった。
苦労あってか、大方の見当はついただけまだマシだ。
夕方に店を出たが、その後は何故か家にあがっていった。
遥に食事に招待されていたらしい。
「何時も私が食べている即席物と違って栄養のしっかりした食事だ。」
それだけ食事が乱れているのだろうか。
最も、今日は遥が張り切って何時もより豪勢だ。
それほどに彼女の来訪が嬉しかったのだろう。
正直あまり食欲はなかったが。
「学校はどうだ?」
「う〜ん…新しいクラスにはまだ慣れないけど、割と順調かな。」
2人はかなり打ち解けているようで、見ていて微笑ましかった。
姉妹の様、とまではいかなくても、友達くらいには見えただろう。
彼女はここまでフレンドリーだっただろうか?
昔の彼女とはだいぶ印象が違う。
角が丸くなっているような…そんな気がした。
これも、八神のせいだろうか。
…いや、考えるな。
気にすることない。
けど、彼女がいる食卓は何時もより華やかだった。
「ふ〜、お腹一杯。美味しかったよ、遥」
テーブルの上に置かれていた、大きなチキンや山盛りに盛られたサラダ。
何時もに比べて豪華すぎる。
あからさまに食べきれないので、半分近くはサランラップに包まれることになった。
「そうですか?まだまだ練習中です!」
遥がここまではしゃぐのも珍しい。
数か月前までは部屋の隅にうずくまっていたとは思えない。
あの毎日部屋の前にご飯を置いていく習慣は、何時しかなくなっていた。
「栄養も取れてるし、見栄えも悪くない。遥は料理上手だね」
「また来てくださいね、こよみさん!」
いつの間にか名前で呼び合っていた。
羨ましくなど断じてないが、本当に変わったものだ。
昔の彼女は無口で、無表情で、いくら嫌がらせをしても顔色1つ変えなかった。
絵と運動は苦手だったが。
美術の時の惨憺たる粘土や画用紙、鋏を持たせても真っすぐ切れない。
芸術的センスと言ったものが決定的に欠けていた。
よく昼休みに美術室で黙々と課題に取り組んでいた。
体育もドッジボールも徒競走もからっきしだった。
とにかく直ぐばてるし、少し走っただけで息があがった。
昔のことを思い出すと、不思議と忘れていた事まで思いだした。
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